事業者破産

会社・事業者の自己破産

会社・事業者の自己破産とは、裁判所によって選任された破産管財人が会社の財産を清算して、それによって得た金銭を債権者に弁済・配当するという手続きです。裁判所に自己破産の申し立てが行われた後、原則として裁判所が破産手続開始を決定するとともに、破産管財人を選任します。破産管財人は会社の財産を換価して、可能な限り債権者に弁済・配当します。
会社・事業者が自己破産を行う際には、弁護士に依頼して裁判所に申立てるのが通常ですが、破産直前に相談されると適切に処理することができない場合がありますので、できるだけ早期に相談されることをおすすめします。

自己破産を決意したら

自己破産を決意したら、破産手続きに入ることを外部に通知する日を設定した後、その日に向けて資料の作成のほか、従業員への解雇通知書や債権者宛ての通知書の作成・封入などの事前準備を開始します。なお、会社が破たん状態になった後に、不動産などの財産を処分したり、一部の債権者に弁済したりすることは禁止されていますのでご注意ください。

破産手続きは計画的に行う必要があります

自己破産の手続きは計画的に行う必要があります。例えば、12月30日に店舗を閉めて、年明け1月4日に外部に破産手続きに入ることを通知するのであれば、30日までは借入金の返済や買掛金の支払いなどをきちんと行わなければいけませんし、売掛金などの入金も受けなければいけません。しかし、1月4日以降は、借入金や買掛金の支払いのほか、不動産などの財産の処分も禁止となります。もし、破産手続きに入ってから不動産を処分したことがわかれば、元に戻すように指示されることもあります。また、破産直前に買掛金が発生するような行為をすると、取引先に多大な迷惑をかける場合もあります。このように、破産手続きの以前と以降とでは状況が大きく変化しますので、破産法が定めるルールに反しないように計画的に進行させる必要があります。

破産のタイミングを見誤らずにご相談ください

「自己破産」=「人生の終わり」などとお考えになっている方もおられるかもしれませんが、そんなことはありません。自己破産の手続きは「人生をやり直すチャンス」という風にも考えることができます。自己破産することで従業員や取引先、ご家族などに迷惑をかけてしまうという部分もありますが、それをためらうあまり、破産のタイミングを見誤ってしまうと、結果的により大きな迷惑をかけてしまう場合もあります。また、自己破産をするにも費用は必要となりますので、できるだけ余力が残っているうちに一度ご相談いただくことをおすすめします。なお、適切に自己破産を申し立てて、一定の要件を満たせば、国の「未払い賃金立て替え制度」により、従業員の未払いの給料の一部を支払うことが可能となります。こうした制度を利用して破産後の従業員の生活を守ることもできますので、破産のタイミングを見誤らずにできるだけお早目にご相談ください。

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